おもったより臭かった

電車の中でスカしたおならが、あまりにも臭くてまわりがざわつくときのような恥ずかしい人生を送っています。

ヤりたい背中

イキなりだが、私の夫はきっとゲイだ。

それも巨大なモノを無印のボクサーパンツにしまう文化系眼鏡男子ゲイだ。

 

つきあった当時から夫はセックスという行為が嫌いだった。

あれこれしたり、こちょこちょぺろぺろを含む戯れがあったとしても、いわゆる合体、つまりは入れてくれなかった。入れてくれるときもごくたまーにあったけど、腰をふることは決してしなかった。私の敏感器官がぬるぬるとびんびんになって最高潮のときに、夫は行為を強制終了するのだ。

 

不思議に思いながらも、もしかしたらそういうプレイなのかな?と思いついたりして自分を慰めていた日々。とはいえ、あまりにも触れてくれないから悲しくて、寂しくて、でも好きな人がそばにいるんだもの、私のムラムラが爆発する夜もあって、今すぐにでも号泣しそう…となる。そんなときは恥ずかしいけれど私から「ちゃんと、したい」旨を申し出るが、あっさり玉砕するのが常だった。

 

「一緒にいて楽しいし、もちろん好きだし、ホッとするんだから、もうそれでよくない?」

と背を向ける。

 

妙に納得する日もあれば、怒りと恥ずかしさから夫の前で勝負下着を装着したまま劇的に倒れ込んでおいおい泣く日もあった。

 

「じゃあなんで結婚したの?」とか「そんなに不満なら別れればよかったじゃん」という視線を全身に受けながら先ほどから書いている私の夫は、本当にいい人なのだ。穏やかででしゃばらず、真面目で、絵が上手で、私が知らないことを何でも知っていて、男友達が多く、その誰からも慕われている。だから結婚したいと心から思った。セックスの相性が悪くても、どうにかなると思った。

 

でも、12年一緒に過ごしてきてようやく結論がでた気がしてホッとしている。

なんだ、男の人が好きだったんじゃん!

あんま爪切らなかったり、生理について前向きに心配してくれたり、すぐ「かわいい」とか言うけど、そういうワケね。

 

もうセックス絡みでケンカはしたくないから、そう思うことにしたよ私。これからは友達みたいな感じでよろしくだけど、たまにはセフレになろうぜ。

 

拝啓

しぶしぶ結婚してくれてありがとう!

しぶしぶ中出ししてくれてありがとう!

あの日、私の子宮がすかさずキャッチしたギラギラした塊は奇跡的に膨らんで、光を帯びながら私の下半身から世界に飛び出し、てんやわんやてんやわんやで、今春、小学生になりますね。

敬具

2018正月

区役所まで私が引きずって、婚姻届を提出するまでもじもじしていたかわいい貴様へ